誰か人生を教えてください・・・


by maple_r

トぶクスリ


 その名はタミフル。

 いやしかし、つい先日、蒲郡で飛び降り事故があったと思ったら、またですよ。
 タミフル服用との因果関係は無い、ってしつこいくらいに繰り返すけれど、以前からこれだけ事故が起こるんだから、怪しきは使用せずといなければいけないのじゃないのか。少なくとも、我々患者側は、選択して服用してはいけないだろう。医者から処方される時点で、タミフルを処方しないように言うべきだ。もっとも、タミフル以外に有用なインフルエンザ用のクスリが無いというのもあるんだろうが。

 日本の場合、お医者様の処置というものは、絶対で間違いの無いものという風潮があるが、そんなことは無い、医者だって人間だし、間違いを犯すし、そもそも全ての医学知識を備えているわけでも無いのだ。
 これからは日本でも、治療に対する選択手段を持つべきである。なんでも医者任せで、医者に自分の身体を完全にゆだねるのではなく、自分の身体は自分の身体として、治療についても自分の納得のいく手法で自己責任において行うべきなのだ。
 
 
 とまあ、難しい話はあっちにおいといて、トぶと言えば高いところだが、かつて高所恐怖症という症状をもっている人のことを理解出来なかった。なに? 高いところって気持ち良いじゃん。これが怖いって、どんな臆病者だよ、と。

 幼少期、地上ならばどんなに高いところに登っても、怖いと思うことは一瞬たりともなかった。唯一、常々怖いと思っていたのは、港の緑色の海だ。大きな港でも、小さな漁港でも、コンクリート護岸に停泊している船の間から覗く、暗い緑色の海は、誰もが幼少期に抱く死のイメージそのままで、とてつもなく恐ろしかった。
 未来永劫続く時間の流れの中で、自分という個が生きているのはたかだか数十年。自分が死んだら、この時の流れの中でどこに行ってしまうのだろう。そんな不安を幼少期には誰しも抱いたであろうが、港の暗い海というのは、オレにとってその死を強く意識させる場所だった。
 まあこれは、高いところが怖いというより、水が怖かったんだな。

 そんな感じで、高所恐怖症だなんて言っているやつは、どんな感覚をしているのだと思っていたのであるが、30を越えたあたりから、足元の高さと少し先の高さに差があると、なぜか目まいを感じるようになった。こめかみがくらくらっとして、背筋をつつつと電気が走るような。これが高所恐怖症?

 ある時、韓国で川の落差工のところで、1m置きくらいにコンクリートの柱が水面よりも高く建っていて、それを歩いて対岸まで行けるようにしてあったところを渡った。足元のコンクリート柱天端から川の水面までは数十cm。この差に頭がくらくらっとして、思わず川に落ちそうになってしまった。びっくりしたのなんの。
 結局、足元を見ないようにして渡りきったのだが、これってつまり怖いんじゃん、と。結局、高所恐怖症というのはこういうことなのかと、今更ながら高所恐怖症というものが理解出来るようになってきてしまったのだ。
 
 こう思ってしまうと、どんどん怖さというものは増大していってしまうもので、ただぞくぞくとしていたものが、しっかりと怖いと認識されてしまうようになってしまった。

 
 月曜日は、スポルトのMonday Footballを見るためにテレビを点けることがよくある。こういう時、きっちりスポルトの時間に合わせてテレビを点けるわけではなく、やはり先に点けておいてスポルトまでだらだらとテレビを見るとはなしに見続けるわけだが、その時間帯にあいのりという番組がある。この番組、内容はともかく、世界各地の観光地を観光客の視点で紹介してくれるのは良いな。
 そこで最近、北欧の山を数時間かけて登り、たどり着いた先はフィヨルドの断崖絶壁の上という観光地を紹介していた。
 これがもう、見渡す限りの断崖絶壁。何メートルの高さの差があるやらわからないくらい。これにはテレビを見ていて、思わず声が出た。ひええええええっ!
 この映像には心底恐怖を覚えた。背筋がぞぞぞとするなんてもんじゃあない。もしこの場にオレが連れてこられたら、たぶん頭がくらくらして、そのまんま谷底に落ちてしまう。絶対そうなる。
 
 
 そういえば、米のグランドキャニオンに展望橋をつけるというスカイウオークがそろそろ完成するはずである。
 こんなもんに金を払って入るなんて、よっぽどのバカだろうとしか言いようがないのだが、もしオレがこんなところに放り込まれてしまったら……気がおかしくなって、飛び降りてしまうかもしれない。
 つまりタミフルとは、そういうクスリなのである。
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by maple_r | 2007-03-01 00:26 | 雑記